新NISAで積立投資を始める際、「S&P500とオルカンのどちらを選べばよいのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。
どちらも低コストで運用できる人気のインデックスファンドですが、投資対象には違いがあります。
今回は、月5万円を積み立てた場合のシミュレーション結果をもとに、S&P500とオルカンの特徴や違いについて整理します。
- S&P500とオルカンの特徴と違い
- 月5万円を積み立てた場合の資産額シミュレーション
- 20年間積み立てた場合の資産形成イメージ

草野みゆ
- 元メガバンク行員
- FP2級・AFP・証券外務員一種
- 金融ライター・編集者
- 『いまから始める新NISA』執筆
行員時代は年間1000人以上の資産運用相談を担当。現在は金融ライター・編集者として活動し、新NISAや資産形成を中心とした記事を執筆しています。
S&P500とオルカンとは?

新NISAで積立投資を始める際、代表的な選択肢として挙げられるのが「S&P500」と「オルカン(全世界株式)」です。
| 項目 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国約500社 | 全世界 |
| 地域 | 米国中心 | 世界分散 |
| 特徴 | 米国成長を取り込みやすい | 地域分散しやすい |
S&P500は米国企業に集中投資する指数、オルカンは世界中の株式に分散投資する商品です。
それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。
S&P500は米国の主要企業約500社に投資する指数
S&P500は、米国の代表的な企業約500社で構成される株価指数です。
アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど世界を代表する企業が含まれており、米国経済の成長を取り込みやすい特徴があります。
一方で、投資先は米国に集中するため、米国市場の影響を大きく受けます。
オルカンは全世界に分散投資できる商品
オルカン(オール・カントリー)は、日本を含む先進国や新興国など、世界中の株式に投資できる商品です。
1本で世界に分散投資できる点が特徴です。
ただし、時価総額ベースで構成されているため、現時点では米国株の比率が高く、米国市場の影響も受けやすい商品といえます。
月5万円を3年間積み立てた場合のシミュレーション

では実際に、月5万円を3年間積み立てた場合を見てみましょう。
積立元本は180万円(5万円×36か月)です。
シミュレーション結果は以下の通りです。
| 商品 | 想定資産額 | 運用益 |
|---|---|---|
| S&P500 | 237万7613円 | 57万7613円 |
| オルカン | 236万9725円 | 56万9725円 |
両者の差は7,888円となりました。
※S&P:想定リターン(年率)20%、想定リスク(年率)22.16%。オルカン:想定リターン(年率)19.75%、想定リスク(年率)18.72%
もちろん将来も同じ結果になるとは限りませんが、3年程度の運用では大きな差が出ないケースもあることがわかります。

S&P500とオルカンの違いは「投資対象」

両者の大きな違いは投資対象です。
S&P500
S&P500は、米国を代表する企業約500社で構成される株価指数です。
- 米国企業中心
- 米国経済の成長を取り込みやすい
- 米国市場への依存度が高い
時価総額の大きい企業ほど組み入れ比率が高くなるため、現在はテクノロジー関連企業の影響を受けやすい特徴があります。
2026年6月時点では、主な組入銘柄は以下の通りです。
| 企業名 | 業種 |
|---|---|
| NVIDIA | 半導体・半導体製造装置 |
| Apple | テクノロジ・ハードウェア・機器 |
| Microsoft | ソフトウェア・サービス |
| Amazon.com | 一般消費財・サービス |
| ALPHABET INC-CL A | メディア・娯楽 |
世界的に知名度の高い企業が上位を占めており、これらの企業の業績や株価動向がS&P500全体の値動きにも大きな影響を与えます。
米国企業の成長を取り込みやすい一方で、米国市場や大型ハイテク企業への依存度が高くなりやすい点は理解しておきたいポイントです。
オルカン
オルカンは全世界株式(オール・カントリー)の略称です。
- 世界中の株式に投資
- 地域分散ができる
- 世界経済全体の成長を取り込みやすい
オルカンは「全世界株式」と呼ばれることから、世界中に均等に分散投資しているイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、時価総額の大きい国の比率が高くなる仕組みのため、米国株の割合が大きくなっています。2026年6月時点のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の主な投資先は以下の通りです。
| 国・地域 | 比率 |
|---|---|
| 米国 | 約63% |
| 日本 | 約5% |
| 英国 | 約3% |
| その他 | 約27% |
オルカンは全世界に分散投資できる商品ですが、2026年6月時点では約63%を米国株が占めています。
そのため、「オルカンは米国株を含みながら世界にも分散投資する商品」と捉えるとイメージしやすいでしょう。一方で、S&P500は投資先を米国に絞ることで、より米国市場の値動きの影響を受けやすい特徴があります。
どちらが優れているというよりも、どのような考え方で投資したいかによって選択肢が変わります。
20年間積み立てた場合はどうなる?
積立投資では、商品選びだけでなく「投資期間」も重要な要素です。

金融庁のつみたてシミュレーターで、月5万円を20年間、年率5%で運用した場合を試算すると、以下の結果になります。
- 元本:1200万円
- 予想資産額:約2029万円
運用による増加額は約829万円です。
実際の利回りは一定ではありませんが、長期間積み立てることで複利の効果が期待できます。
短期的な値動きだけで判断するのではなく、長期的な視点で資産形成を考えることも大切です。

まとめ
S&P500とオルカンは、新NISAで人気の高い投資先です。
今回のシミュレーションでは、月5万円を3年間積み立てた場合の差は大きくありませんでした。
一方で、投資期間が長くなるほど複利の効果は大きくなります。
- S&P500:米国の主要企業に投資
- オルカン:世界中の株式に分散投資
それぞれ特徴が異なるため、違いを理解したうえで、自分の考え方に合った商品を選ぶことが大切です。
※私はFP資格を保有していますが、本記事は特定の商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身で行ってください。
