こどもNISAは贈与税がかかる?親・祖父母が入金するときの注意点をわかりやすく解説

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2027年から始まる「こどもNISA」(0〜17歳向けの新NISA拡充)は、非課税で子どもの資産形成ができる制度です。

一方で、親や祖父母が子ども名義の口座にお金を入れる場合は、贈与税の対象になるのか気になるところです。

この記事では、こどもNISAに入金した場合に贈与税がかかるのか、かからないためのポイントを、わかりやすく整理します。

なお、この記事は贈与税の一般的な制度を解説するものであり、個別の税額計算や申告の要否を判断するものではありません。実際に贈与を行う場合や、ご自身のケースで申告が必要かどうかを判断する場合は、税理士など専門家にご確認ください。

この記事を読むとわかること
  • こどもNISAの「非課税」が対象にしているもの
  • 親・祖父母が入金した場合に贈与税はかかるのか
  • 年60万円なら一般的には贈与税がかからない理由
この記事を書いた人

野みゆ

  • 元メガバンク行員
  • FP2級・AFP・証券外務員一種
  • 金融ライター・編集者
  • 『いまから始める新NISA』執筆

行員時代は年間1000人以上の資産運用相談を担当。現在は金融ライター・編集者として活動し、新NISAや資産形成を中心とした記事を執筆しています。

タップできる目次

こどもNISAの非課税は運用益が対象

こどもNISAが非課税にしているのは、運用益(配当金・譲渡益)にかかる所得税・住民税です。

通常、投資信託などの運用で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、こどもNISA口座内であれば、この税金がかかりません。

項目内容
正式名称未成年者特定累積投資勘定(通称:こどもNISA)
開始時期2027年1月〜
対象年齢0〜17歳
年間投資枠60万円
非課税保有限度額600万円
非課税期間無期限
投資対象つみたて投資枠の対象投資信託のみ
払い出し12歳未満:不可/12歳以降:子ども本人の同意があれば可能
18歳到達時成人NISAへ自動移行(手続き不要)

この「非課税」は、運用によって得られた利益に税金がかからないことをを指します。

一方で、親や祖父母が子ども名義の口座へ資金を入れることは、贈与税のルールで判断されます。そのため、NISAの非課税と贈与税は別の制度として考える必要があります。

親・祖父母の入金は贈与税のルールに従う

親や祖父母が子ども名義のこどもNISA口座へお金を入れる場合は、通常の贈与税のルールに従います。

こどもNISAだからといって、特別な贈与税の非課税制度が設けられているわけではなく、一般的な贈与税の仕組みの中で判断されます。

NISAへの入金は「教育費」ではなく「贈与」として扱われる

「子どもの教育のためのお金だから、教育費として非課税になるのでは?」と思う方もいるかもしれません。

国税庁では、贈与税がかからない教育費とは「必要な都度、直接教育費に充てるために渡すお金」としています。入学金や授業料、教材費などを必要になったタイミングで支払う場合がこれにあたります。

一方、こどもNISAへの入金は、将来の資産形成を目的として運用するための資金です。そのため、教育費の非課税制度ではなく、通常の贈与税のルールで判断されます。

年60万円の投資枠と贈与税の関係

贈与税には、1年間(1月1日〜12月31日)に受けた贈与の合計額が110万円以下であれば、一般的には贈与税がかからないといった基礎控除があります

こどもNISAの年間投資枠は60万円のため、この金額だけであれば基礎控除110万円の範囲内に収まります。そのため、通常は贈与税の申告・納税は不要です。

ただし、同じ年にほかの人から贈与を受けている場合は、その年に受けた贈与額をすべて合計して判定されます。

基礎控除110万円は、受贈者(財産を受け取る子ども)1人あたりで判定されます。

父・母・祖父母など、複数の人から贈与を受けた場合は合算して判断されるため、金額の確認が必要です。

祖父母から贈与を受ける場合の注意点

父母だけでなく、祖父母から資金援助を受けてこどもNISAを活用するケースも考えられます。

その場合は、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

複数人からの贈与は合算される

基礎控除110万円は、こどもNISAへの入金だけではなく、その年に子どもが受け取ったすべての贈与の合計額で判定されます。

たとえば、父方の祖父から60万円、母方の祖父から60万円を受け取ると、合計120万円となり、基礎控除110万円を超えます。

このような場合には、超えた部分について贈与税の申告が必要になる可能性があります。

複数の祖父母や親から資金援助を受ける予定がある場合は、年間の贈与額の合計を事前に確認しておくと安心です。

「毎年60万円ずつ10年間」の約束は避ける

もう一つ注意したいのが、「定期贈与」と判断されるリスクです。

たとえば、「10年間、毎年60万円を贈与する」と最初から約束してしまう場合、税務上は将来分も含めた贈与契約とみなされる可能性があります。

その結果、想定していなかった贈与税が課されるケースも考えられます。

毎年贈与する場合は、その都度贈与の意志を確認し、将来にわたる贈与を約束するような契約は避けることが望ましいでしょう。

贈与の方法や申告の要否など、判断に迷う場合は税理士などの専門家へ相談すると安心です。

こどもNISAを活用した生前贈与のポイント

制度を正しく理解して活用すると、こどもNISAは贈与と資産形成を組み合わせる方法の一つになります。

贈与税と運用益、2つの税負担を抑えられる可能性がある

基礎控除の範囲内で贈与し、その資金をこどもNISAで運用すれば、贈与時の税負担を抑えながら、運用益についても非課税で資産形成ができます。

早い時期から運用を始めれば、長期間にわたり非課税で資産を育てられる可能性がある点も、こどもNISAのメリットです。

相続税対策として活用されることもある

祖父母の立場では、生前贈与を続けることで将来の相続財産を減らし、相続税対策として活用されるケースもあります。

ただし、相続開始前の一定期間に行われた贈与は、相続税の計算上、「生前贈与加算」の対象となる場合があります。

一方で、祖父母から孫への贈与は、孫が法定相続人でない限り、原則として生前贈与加算の対象にはなりません。養子縁組をしている場合や遺贈により財産を取得する場合などは例外となるため、個別の確認が必要です。

親から子どもへの贈与は相続税に影響する場合がある

親から子どもへの贈与は、将来相続が発生した場合には、生前贈与加算の対象となる可能性があります。

年110万円の基礎控除内の贈与であっても、相続税の計算では影響する場合があります。

贈与や相続の取り扱いは家族構成や財産状況によって異なるため、活用を検討する際は税理士などの専門家へ相談すると安心です。

名義預金と判断されるケース

贈与税のルールを守っていても、贈与の実態が認められなければ「名義預金」と判断され、相続税の対象となる可能性があります。

名義預金とは、口座の名義は子どもであっても、実際には親や祖父母が管理・支配していると判断される預金のことです。相続の実務でも、よく問題となるポイントです。

名義預金と判断される可能性があるケース

次のような場合は、名義預金と判断される可能性があります。

  • 子ども本人が口座の存在を知らない
  • 親や祖父母がログイン情報を管理し、投資判断や引き出しを行っている
  • 贈与契約書など、贈与の事実を示す資料が残っていない
  • 現金手渡しなどで振込記録が残っていない

このような状況では、名義は子どもでも、実質的には親や祖父母の財産とみなされるおそれがあります。

贈与の事実を客観的に残しておく

名義預金と判断されるリスクを避けるためには、贈与の事実を客観的に示せる状態にしておきましょう。

対策内容
贈与契約書を作成するその年の贈与内容を記録しておく。将来にわたる贈与を約束する内容は避ける
振込で入金する現金手渡しではなく、金融機関を通じて記録を残す
子どもに口座の存在を伝える年齢に応じて少しずつ知らせ、自分の資産であると認識してもらう

※贈与契約書の作成は法律上の義務ではありませんが、贈与の事実を示す資料の一つとして役立ちます。

こどもNISAでは、12歳以降は払い出しに子ども本人の同意が必要になります。この仕組み自体が、子どもが自分の口座の存在を認識するきっかけにもなるでしょう。

子ども名義の口座を開設する際は、家族にとって使いやすい証券会社を選んでおくと、その後の管理もしやすくなります。

こどもNISAについて詳しく知りたい方は併せてご覧ください。

よくある質問

こどもNISAと贈与税について、よくある疑問をQ&A形式で紹介します。

毎月5万円ずつ積み立てても贈与税はかかりませんか?

年間の贈与額が110万円以下で、その年に受けたほかの贈与と合わせても基礎控除内であれば、一般的には贈与税はかかりません。

贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)に受け取った財産の合計額で判定されます。

父と祖父がそれぞれ60万円ずつ入金したらどうなりますか?

贈与税は、贈与した人ごとではなく、受贈者(財産を受け取る子ども)ごとに判定します。

たとえば、父から60万円、祖父から60万円を受け取ると合計120万円となり、基礎控除110万円を超えます。そのため、贈与税の申告が必要になる可能性があります。

教育費として渡せば贈与税はかかりませんか?

教育費の非課税制度は、授業料や入学金など、その都度必要な教育費に充てるためのお金が対象です。

一方、こどもNISAへの入金は将来の資産形成を目的とした資金のため、通常は教育費の非課税制度ではなく、一般的な贈与税のルールで判断されます。

こどもNISAと贈与税は別ルール。基礎控除内なら一般的には安心

こどもNISAの非課税は、運用で得た利益に税金がかからない仕組みです。口座への入金は通常の贈与税のルールで判断されます。

こどもNISAの年間投資枠60万円は贈与税の基礎控除110万円以内に収まるため、ほかの贈与との合計額が基礎控除内であれば、一般的には贈与税はかかりません。

ただし、複数人からの贈与で基礎控除を超えるケースや、将来にわたる贈与を約束してしまうケース、贈与の実態が認められず名義預金と判断されるケースには注意が必要です。

制度や税制を正しく理解したうえで活用すれば、こどもNISAは子どもの将来に向けた資産形成と、生前贈与を組み合わせた資産継承を考える際の選択肢の一つになるでしょう。

なお、本記事は公表されている制度や税制に基づく一般的な情報をまとめたものです。実際の贈与額や申告の要否、相続税への影響は個別の事情によって異なります。判断に迷う場合は税理士などの専門家へ相談してください。

参考・出典

子どもNISA贈与税はかかる?

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