インデックスファンドで投資を始めるには何から始めたらいいか悩んでいませんか?
長い期間ゆっくり運用して資産を増やす方法として、インデックスファンドを選ぶ人が増えています。
「投資はインデックスファンドでほったらかし運用!」とはよく聞くフレーズですね。
この記事ではインデックスファンドがどういうものなのか、基本的なことをお伝えします。
この記事を読み終わるころには自分でインデックスファンドを選ぶことができるようになりますよ。
・インデックスファンドと投資信託のこと
・インデックスファンドのはじめるために気をつけること
・インデックスファンドの失敗しない選びかた
この記事を書いた人
この記事を書いているわたしは元メガバンク行員で、お客さまのお金に関するお悩みの対応をしていました。家計を見直して資産を増やすためのお金の知識をお伝えします。
投資信託は手軽に運用ができる
投資信託はプロにまかせて手軽に運用ができる、初心者向きと言われています。
投資信託は投資家からお金を集め、そのお金を投資のプロのファンドマネージャが株式や債券・不動産などさまざまな運用を行う商品です。
少額から始めることができ1つの商品を購入するだけで分散投資ができます。
投資信託とは2種類ある
投資信託にはインデックスファンド(投資)とアクティブファンドの2種類があります。
インデックスファンド | インデックス(指数)に連動する投資 予想がつきやすいもの |
アクティブファンド | インデックス(指数)を上回る運用成果を目指す投資方法 |
インデックスファンドは市場全体の動きに合わせる運用で、アクティブファンドは市場平均よりも高いリターンがある可能性のある運用です。
インデックスとは株価指数
投資における『インデックス』は株式市場などの全体的な動きを指す指数のことを言います。
インデックスファンドは市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した投資信託でパッシブファンドと呼ばれることもあります。
代表的なインデックス
ニュースでよく聞きますよね
毎日聞いていると相場や動きがわかってきます!
投資信託3つのメリット
投資信託には3つのメリットがあります。
・リスク分散ができる
・プロの運用にまかせる
・少額から始められる
インデックスファンドもアクティブファンドも投資信託なので、両方に当てはまります。
リスク分散ができる
投資信託は株や債券・不動産などの複数の資産を組み合わせて運用されるため、リスク分散が可能です。
複数の銘柄や産業、国や地域に投資することでリスクが分散され、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。
・投資家が持つさまざまな種類の投資(株式・債券・不動産・現金など)を組み合わせる
・ポートフォリオは投資家のリスク許容度・投資目的・投資期間などに応じて作られ調整される
プロの運用にまかせる
投資信託はファンドマネージャーによってプロの知識や経験を活用して運用します。
株や債券などの選定や配分、市場のタイミング判断を自分でする必要がなくプロの運用にまかせることができます。
少額から始められる
投資信託は少額(金融機関によっては100円)から投資を始めることができます。
初心者や少額の資金でまずは始めたい人に向いている商品です。
少額の商品の中でも自動的に分散投資がされています。
投資信託3つのデメリット
投資信託には3つのデメリットがあります。
・元本保証がない
・手数料(コスト)がかかる
・売りたいタイミングで売ることができない
インデックスファンドもアクティブファンドも投資信託なので、両方に当てはまります。
元本保証がない
投資信託は価値が市場の動向によって変動するため、投資した金額全体を必ずしも取り戻せない可能性があります。
市場の下落によって投資の損失が発生することがあるからです。
分散投資やリスク管理により投資の損失が出ないようにする努力はできますが、絶対的な元本保証はありません。
手数料(コスト)がかかる
投資信託はプロのファンドマネージャーに株や債券・不動産などの運用がよりよくできるようにお願いしています。
そのサービスに対して手数料(購入時手数料・運用手数料・売却手数料ほか)が発生します。
投資信託の手数料について詳しく知りたい人はこちらもお読みください
売りたいタイミングで売ることができない
投資信託は市場の動向によって価格が変動します。
投資家が売りたいと思った瞬間に、必ずしも希望の価格で売却できるとは限りません。
株式は取引所が開いている時間中ずっと値動きしているので、売買したい瞬間に取引を行うことができます。
一方投資信託は取引所の一日が終わってから値段の計算をします(1日1回だけ計算される)。
朝売買することを決めても、投資信託に入っている株や債券・不動産などの価値の総額(資産総額)は取引所が終わってから決まるため、好きなタイミングで売ることはできません。
インデックスファンドのインデックス(指数)は基準
インデックスファンドは指数と同じ動き
インデックスファンドは特定の株価指数(インデックス)と連動するように作られた投資信託です。
対象となる市場指数に含まれる各企業の株式をその企業が市場全体で占める割合(ウェイト)に合わせて購入し、指数のパフォーマンスを可能な限り正確に表現しようとすることです。
たとえば、日経平均株価(日経225)を追跡するインデックスファンドは、日経平均株価(日経225)に含まれる225社の株式を各銘柄が指数に占める割合に応じて購入します。
指数が変動するとファンドもそれと同じ動きをします。
インデックスファンドには配当金がない
株式投資では配当金が自分の利益の一部となりますが、インデックスファンドには配当金がありません。
インデックスファンドが配当金なしでも大丈夫なのは、最終的に保有しているファンドを売却したときの値上がり益が収入源だからです。
インデックスファンドは保有しているだけで利益が出る投資商品ではなく保有している銘柄が値上がりした時に売却した差額で儲かる仕組みの商品です。
代表的なインデックス(S&P 500、日経平均など)
代表的なインデックス(市場の動きを示す指数)の解説をします。
日経平均株価(日経225)は代表的な225銘柄
東京証券取引所第一部に上場している代表的な225銘柄で構成されています。
225の企業の株式価格が全体として上がっているときは日経平均株価も上昇し、逆に225の企業の株式価格が下がっているときは日経平均株価も下落します。
TOPIX(東証株価指数)は日本株式全体のバロメーター
東京証券取引所第一部に上場している全銘柄で構成されています。
日経平均株価は代表的な225社で構成されているのに対して、東証株価指数は上場企業全てを対象とした株価指数です。
TOPIXは、上場企業のすべての株式の価格を合計したもの(株式時価総額)に基づいて計算されます。
株式時価総額が大きい大手企業はTOPIXに大きな影響を与え、逆に株式時価総額が小さい小規模企業は指数に小さな影響を与えます。
NYダウはアメリカ経済のバロメーター
ニューヨーク証券取引所とNASDUQに上場している30の大手公開企業の株価を平均した株価で米国を代表する株価指数の一つです。
この30社はアメリカ経済を省庁するような大きな影響力を持つ企業で、それぞれがさまざまな産業を代表しています。
そのためNYダウが上がっていあるときはこれらの企業の株価が全体的に上昇していることを示し、アメリカ経済が好調であることを示しています。
逆に下がっているときは経済が冷え込んでいる可能性を示します。
S&P500は大手500社の株価指数
アメリカの大手500社の株式を対象にした株価指数です。
500社はアメリカの上場企業全体の約80%を占める大きさなので、アメリカ株式市場全体の動きをよく表しています。
S&P500が上昇しているときは、500社の株価が全体的に上昇していることを示しアメリカ経済全体が好調であることを示しています。
逆に下落しているときは経済が冷え込んでいる可能性があります。
NASDAQ総合指数は主にテクノロジー企業
NASDAQ総合指数(NASDUQ Composite)はアメリカのNASDUQ証券取引所に上場しているすべての企業の株価の動きを追跡する指数です。
特にテクノロジー関連企業が多く上場していることで知られています。
この指数が上昇しているときは証券取引所に上場している企業の多くが好調で、特にテクノロジー業界が好調であることを示しています。
逆に下落しているときは上場企業の株価が全体的に下がっておりテクノロジー業界が冷え込んでいる可能性があります
。
インデックスファンド3つのメリット
インデックスファンドのメリットを解説します。
・値動きがわかりやすい
・分散投資ができる
・運用コストが低い
値動きがわかりやすい
ファンドの価格変動が追跡している指数(日経株価指数やS&P500など)の動きとほぼ同じため、投資家がファンドの値動きを予測しやすいからです。
この「わかりやすい」ことが特に投資初心者にとって理解しやすく安心なので、インデックスファンドを選ぶ理由の一つとなります。
株価指数はニュースで頻繁にでてくるので自分の運用商品の値上がり値下がりがわかるのは自分の資産の上下も理解できるので不安が減りますね
分散投資ができる
インデックスファンドは投資信託なのでプロのファンドマネージャーが株や債券・不動産など複数の資産に分散してくれるので、自動的に分散投資ができることになります。
1つの投資信託に投資するだけで多くの企業や資産に投資したことになり、リスクを分散させることができます。
運用コストが低い
インデックスファンドは「市場の平均的な成果を目指す」ファンドです。
日経平均株価やS&P500などの具体的な指数の動きをそのまま追いかけるため、銘柄の選択や買い替えの判断の手間が少なくなります。
そのためファンドマネージャーの手間が減りその分の手数料(運用コスト)が低いです。
インデックスファンド4つのデメリット
インデックスファンドは複数の銘柄に分散投資していますが、市場全体が下落しているときはファンドも連動してリターンが出にくくなります。
・インデックス以上のリターンは望めない
・元本割れの可能性がある
・短期間ではリターンが得られないかもしれない
・一定の運用コストがかかる
インデックス(市場指数)以上のリターンは望めない
インデックスファンドは特定の市場指数の動きを追いかけた運用なので、積極的な運用はされません。
市場全体が上昇した場合はファンドの価値もあがりますが、逆に下落するとファンドの価値も下落します。
アクティブファンドのように大きな運用になることはありません。
元本割れの可能性がある
投資した金額全体を取り戻せない可能性があります。
投資全般にいえることですが、投資や投資信託では価値が市場の動向によって変動するからです。
市場の下落によって投資の損失が発生し、元本割れの可能性があります。
短期間ではリターンが得られないかもしれない
インデックスファンドは長期間の投資を前提とした商品です。
短期間でのリターンを求めるのは難しいことが多いです。
たとえばある年の市場が横這いや下落した場合数カ月だけインデックスファンドに投資しても期待するようなリターンを得られないかもしれません。
短期間の市場の変動に左右されるリスクがあるため、インデックスファンドは長期間の運用を考えることが重要です。
一定の運用コストがかかる
インデックスファンドを管理運用するため、信託報酬などの手数料(コスト)がかかります。
他のアクティブファンドに比べて低コストではあるものの、完全に無料ではないので投資を考えるときは手数料についても調べておきましょう。
投資信託の手数料が気になる人はこちらから
アクティブファンドとインデックスファンドの違いとそれぞれの特徴
アクティブファンドとインデックスファンドについて解説していきます。
アクティブファンドは積極的な運用
アクティブファンドとはプロのファンドマネージャーが市場の動向や個別の銘柄の情報をもとに積極的に投資先を選び、市場平均のリターンを上回ることを目指す投資スタイルです。
アクティブファンドのメリットは、専門家の知識や経験を活かして市場平均以上のリターンを目指すことができることです。
一方デメリットは専門家の判断が外れるリスクや手数料が高くなる傾向があることです。
インデックスファンドとアクティブファンドの比較
引用元:三井住友DS投信直販ネット
インデックスファンド | アクティブファンド | |
定義 | 特定の市場指数に連動する投資信託 | 市場平均を上回るリターンを目指す投資信託 |
手数料 | 低コスト | 一般的に高い |
運用の目的 | 市場指数のパフォーマンに連動すること | 市場平均を上回るリターンを目指すこと |
リスクとリターン | 指数の動きに基づくリスクとリターン | 運用者の判断に基づくリスクとリターン |
インデックスファンドは特定のインデックスに連した投資成果があり、ベンチマークを大きく上回る利益を目指すことは難しいとされています。
しかし値動きがわかりやすく初心者向きといわれています。
一方アクティブファンドは市場を上回るリターンを目指すための投資ファンドで、リスクをとっても利益を出したい人向けです。
投資の目的による選択
投資家のリスク許容度やいつ資金が必要になるのか、など投資の目的は人それぞれです。
インデックスファンドは長期運用に向いている商品なので、老後資金・車購入資金・教育資金など必要となる運用資金が数年・数十年先の場合におすすめです。
iDeCoやNISAのような長期投資にはインデックスファンドの商品も多くリスクやコストをできるだけ抑えて長期的にコツコツ運用したい場合に最適な方法です
一方アクティブファンドは銘柄をファンドマネージャーが選別し、リスクをマネジメントしながら運用する投資信託です。
リスクを理解して分散投資をしながら大きく上回るリターンとなるように運用しても大丈夫だと思える人向けです。
初心者が投資信託を始めるためのステップ
インデックスファンドもアクティブファンドも投資信託です。
投資信託を始めるための初心者向けの解説をします。
この記事を飛ばして『インデックスファンドの選び方』にいく>>>
投資を始める目的を明確にしましょう。
将来のマイホーム資金・子どもの教育資金・老後資金など
まずは目標の期間と目標金額を考えましょう。
自分が受け入れられるリスクの度合いを知ることは重要です。
・損したくない、着実に貯めていきたいなら投資や投資信託ではなく預貯金が無難でしょう。
元本保証はあるものの、ほとんど資産は増えません。
・もしかしたら損するかもしれないけどリターンがあるかも、とデータを調べてローリスクの投資をすることも可能です。
・余裕資金で運用する人でハイリスクでもハイリターンの可能性があるなら大丈夫!という人は大きく上回るリターンの運用商品でもいいでしょう。
さまざまな投資信託の特性や運用実績・手数料などの情報を目論見書やホームページを見て調べていきましょう。
一つの投資信託に全額を投じるのではなく、リスクを分散させるために複数の投資信託を選ぶことを検討しましょう。
投資信託を購入するには、証券口座の開設が必要です。
証券会社や金融機関によって取り扱う投資信託や手数料が違うので確認しましょう。
複数の金融機関で口座を持ってタイプの違う投資信託の運用をしている人もいます。
金融機関の窓口での口座開設よりネット証券口座開設のほうが手数料も安くアプリで完結するのでおすすめです。
すぐに口座開設のことを知りたい人はこちら
国内の主要指数(日経株価指数やTOPIX)、海外の株価指数(S&P500やNYダウ)などの指数から選びます。
インデックスファンドの選び方
インデックスファンドで失敗しないためにインデックスファンドの選び方の解説をします。
投資対象を見比べる
ホームページやアプリを見るなどして投資をしたいと考えている商品を比べてポートフォリオのバランスを考えましょう。
資産配分のポートフォリオとして『60/40ポートフォリオ』という言葉があります。
株式60%・債券40%で安定した資産の増加とリスク軽減と言われていてアメリカではオーソドックスな手法として投資家から支持されている割合です。
投資初心者は1つの目安として知っておくと選びやすいでしょう。
手数料の安さで見比べる
インデックスファンドの選びかたに迷った場合は「信託報酬」の安いファンドを選びましょう。
信託報酬は運用している間かかる手数料なので長い期間保有する場合、信託報酬が大きければ大きいほど運用コストがかかることになります。
信託報酬は年率で表示され、実際には日割りで差し引かれます。
運用にかかる年間の経費を比べましょう。
インデックスファンドは長期間運用する可能性が高いので運用期間中ずっと必要な手数料もあるのでしっかり計算しておきましょう。
純資産総額の大小で見比べる
総資産額は投資信託の資産の合計額です。
純資産が多いファンドは資産が多く集まっているファンドなので、人気のファンドかどうかがわかります。
人気のファンドは運用先や信託報酬などの手数料(コスト)面などの条件が良いときがあります
その反面純資産額が大きくないファンドはあまり人気のないファンドということになります。
ファンドのリスクレベルを理解する
リスクに着目して銘柄を選びましょう。
市場変動などが起こった場合も対応できる状態をつくること、値動きが違う商品を複数選んでリスクに備えるようなインデックスファンドを選ぶことは自分の資産を守るために重要です。
日本株式で運用される投資信託を購入して日本の経済状況が悪化した場合は大きな損失となります。
外国の株式・債券を運用することでリスクを軽減できます。
ファンドの運用実績(パフォーマンス)の評価方法
運用実績を調べたときに見る数値を解説します。
騰落率 | ・基準価額が一定の期間において何%上昇・下落したかを見るときの指標 ・どのくらいの値動きをしたかがわかる |
ベンチマーク | ・騰落率が良い・悪いを判断する基準 ・ベンチマークとしてはTOPIXが基準に使われることが多い |
シャープレシオ | ・一定の期間内に騰落率が値動きに対してどれくらいだったか ・シャープレシオの数値が高い場合、運用効率がいいファンドと判断できる |
分配金 | ・投資で集まった資金の一部を投資家に配るが、分配金がないものもある ・元本割れがある特別分配金がある場合があるので注意する |
投資初心者には難しい言葉が多いですが選ぶときの目安になります!
よくある質問と答え
よくある質問です。
- インデックスファンドとつみたてNISAの違いは何ですか?
-
インデックス型の投資信託は手数料が低いのが特徴です。
つみたてNISAを通じて購入できる投資信託の多くはインデックスファンド(インデックス投資信託)です。
インデックスファンドは投資の仕方のことで、つみたてNISAは制度のことです。
- インデックスファンドの反対は何ですか?
-
アクティブファンドです。
インデックスファンドは特定の市場指数(日経平均株価やS&P500など)に連動していますが、アクティブファンドはファンドマネージャーが市場の平均リターンを上回ることを目指して個別の銘柄を選んで売買しています。
- EFTとインデックスファンドの違いは何ですか?
-
ETFとインデックスファンドはどちらも投資信託ですが取引方法が大きく違います。
ETFは上場しているため日中売買できますが、インデックスファンドは投資信託のため取引所の取引が終わってから価格が決まります。
まとめ:投資信託とインデックスファンド
投資信託とインデックスファンドは資産を増やすための手段の一つです。
投資初心者がインデックスファンドを始めるときには自分の投資目的やリスク許容度を確認し、それに合ったファンドを選ぶことが大切です。
手数料も安く長期間の運用に向いている商品なので、市場の動向に一喜一憂し過ぎないようにしましょう。
大切な資産を守りながら増やす運用を目指しましょう。