投資信託で資産運用を始めようと決めたものの、アクティブファンドとインデックスファンドのどちらにしようか悩んでいませんか?
どのファンドを選べばいいのかわからないの
アクティブファンドとインデックスファンドの基本的なことや選び方を理解して自分に合ったファンド選びができるようにしましょう!
アクティブファンドの特徴やインデックスファンドとの違いを知れば、自分の投資目標や方針に合わせて組み合わせていくことができます。
投資初心者に向けてアクティブファンドで運用する場合の注意することや、初心者向けとも言われるインデックスファンドについてくわしく解説します。
この記事を書いた人
この記事を書いているわたしは元メガバンク行員でお客様のお金に関するお悩みの対応をしていました。家計を見直して資産を増やすためのお金の知識をお伝えします。
投資の基本はリスクとリターンのバランス
投資はリターンがある半面、リスクを伴います。
投資の基本的なことをお伝えします。
リスクとリターンを知る
投資の基本原則は「リスクとリターン」のバランスです。
高いリターンを得るためには、それに比例する高いリスクを受け入れる必要があります。
複数の異なる資産に分散することでリスクを減らします。
また、長期的な視点を持つことが大切で、市場の一時的な変動に惑わされずに投資を続けることが成功への鍵です。
アクティブファンドとインデックスファンドの違い
アクティブファンドとインデックスファンドは運用方法が違います。
アクティブファンド | ・運用マネージャーが市場分析を通じて選んだ銘柄を含んだファンド ・手数料は高め |
インデックスファンド | ・特定の市場(日経平均株価・TOPIX他)に連動するファンド ・手数料は低い |
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
アクティブファンドは高いリターンを求める人に向いている
アクティブファンドを始めるためには自分で積極的に企業成績や企業内容を調べていく必要があります。
アクティブファンドはプロのファンドマネージャーが銘柄を選定し市場平均を上回るリターンを目指す投資商品です。
リスクとリターンを理解しバランスをとる必要があります。
高いリターンを追求したい
アクティブファンドはプロのファンドマネージャーが市場を分析して優れた銘柄を選んで投資するファンドです。
高いリターンを得るために市場で成長が期待される銘柄を選ぶため積極的に投資をしたい投資家に向いています。
ただし成功が保障されているわけではなくリスクもあるため長期的な視点で判断することが大切です。
投資したいテーマがある
アクティブファンドはテーマ別に銘柄が構成されていることがあります。
特定のテーマに分けて自分の興味のある分野で投資を行いたい人に向いています。
・AI・ロボット
・宇宙開発関連
・旅行・観光
・サイバーセキュリティ等
また将来的な需要を予測して早い段階で投資を行うことで先行者利益を獲得できる可能性が高まります。
企業の市場価値を発見したい
アクティブファンドのファンドマネージャーは企業の業績や競争状況、経済トレンドなどの情報を分析して収益性や成長を評価します。
これにより将来的な市場価値の上昇を見込んだ銘柄を選択します。
価格が上昇したのであれば構成されている企業の業績の高さを表すので、より良い銘柄の発見となることがあります。
アクティブファンド2つのメリット
アクティブファンドは長い期間相場を見てきたプロのファンドマネージャーがベンチマークを上回ることを目指して運用する投資信託です。
高いリターンが狙える可能性がある
割安な銘柄や将来性を期待できる銘柄があり調整しながら投資することで市場平均以上のリターンが得られる可能性があります。
アクティブファンドはインデックスファンドと比べて構成銘柄数が少ないため、それぞれの銘柄がファンド全体に与える影響も大きいです。
ファンドに含まれる銘柄が大きく値上がりした場合はファンド自体の基準価額も上昇するため大きなリターンを受けられます。
豊富なテーマの中から商品を選べる
テーマやファンドごとの運用方針により多くの商品が用意されています。
AIやロボット、デジタル関連などのテーマファンドや中小小型銘柄、割安なバリュー株に注目して投資するファンド、成長が期待できるグロース株中心のファンドなどさまざまな種類があります。
アクティブファンドはファンドごとに運用方針が異なるため自分の運用計画に合った銘柄を選ぶことができます。
アクティブファンド3つのデメリット
アクティブファンドのデメリットを3つ解説します。
手数料や信託報酬などの運用コストが高い
アクティブファンドは買付手数料や信託報酬が割高になっています。
アクティブファンドとインデックスファンドの手数料の違い
アクティブファンド | インデックスファンド | |
買付手数料 | 3%を超えるものもある | ノーロードファンド(無料)が多い |
信託報酬 | 1.5%を超える水準 | 0.1~0.3%前後 |
営業日ごとに公表される基準価額はすでに信託報酬が差し引かれた額のため、手数料をを支払っている実感がなくなるので注意しましょう。
運用成績が悪い場合、自分の投資バランスによっては売却も考えましょう。
市場平均リターンを下回る可能性がある
プロのファンドマネージャーが必ずしも高いリターンを上げ続けられるわけではありません。
市場の平均リターンを下回る可能性があるため注意が必要です。
手数料が高い分、運用成績が低くなった場合はマイナス運用になる可能性があります。
低コストのインデックスファンドよりも高い運用成績が必要となります。
ファンドマネージャーの手腕にかかる部分がある
ファンドマネージャーやファンドの運用方針のスキルで運用成績が左右されることがあります。
ファンドマネージャーが選ぶ銘柄次第で運用成績が大きく変わるからです。
一方インデックスファンドはベンチマークを構成している銘柄と同じ銘柄を保有すること(ベンチマークと似た形でのリターンが期待できるから)で簡単に投資することができます。
投資する前にまず分析することを心がけましょう。
アクティブファンドのグロース型とバリュー型
アクティブファンドにはグロース型とバリュー型の2種類があります。
異なる視点から投資を行っていて、ベースの考え方が大きく異なっています。
違いを理解してより自分の投資スタイルにあう型をみつけましょう。
グロース型は成長株への投資
アクティブファンドのグロース型はファンドマネージャーが市場で成長が期待される銘柄を選んで組み立てる投資商品です。
事業の成長とともに収益力が高まれば株価も上昇する過程で利益を上げようとする仕組みです。
PERやPBRなどが市場平均を大きく上回り割高と判断されている銘柄でも企業の成長性に注目して投資
予測通りに企業が大きく成長すれば短期間で株価が何倍にもなることがあり大きなリターンが期待できます。
企業が成長するかどうかはあくまで予測なので外れてしまうというリスクがあります。
しかも株価が割高でも投資を行うため見通しが外れてしまった時の損失は大きくなりやすいので注意が必要です。
PERとPBRは株の割安感を判断するための指標
株式投資や投資信託で出てくるPERとPBRを簡単に解説します。
PERは株価収益率
引用元:日本経済新聞
株価が1株あたり純利益の何倍まで買われているのかをみる投資尺度です。
現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安として利用されています。
PERの数値は低いほうが株価は割安!
ネット証券の銘柄の情報でPERが記載されていることがあります
PBRは株価純資産倍率
引用元:日本経済新聞
企業の資産面から株価の状態を判断する指標です。
会社の純資産と発行済みの株式の時価の差を評価して現在の株価の割安・割高を調べます。
PBRの数値1倍:株価と会社の資産価値は変わらない
PBRの数値1倍を上回る:本来の資産よりも高い(割高)
PBRの数値1倍を下回る:本来の資産よりも安い(割安)
株価の時価が1株あたりの純資産の何倍にあたるかがわかり、市場での評価の高さ・経営状況・成長性を見定めるときにも役立ちます。
バリュー型は割安株への投資
アクティブファンドのバリュー型はファンドマネージャーが投資対象の企業価値(Value)から見て割安と考える銘柄を選んで組み立てる投資商品です。
適正な企業価値はいずれ株価に反映されると想定し、修正されていく過程で利益をあげようとします。
もともと割安な銘柄に投資をするため、仮に予測が外れても値下がりする予知が少ないです。
そのためリスクは比較的抑えられる一方でタイミングによってはリターンを得にくいことが特徴です。
グロース型とバリュー型の異なる観点
グロース型とバリュー型はどちらか一方が優れているというわけではありません。
投資方法の違いなので投資方針を理解したうえで自分がどちらに共感できるかを考えて選ぶことが大切です。
目論見書を見るときに方向性が違う2つの考え方があることを理解しながら選んでいきましょう。
アクティブファンドの銘柄を選ぶ基準
アクティブファンドを選ぶための基準をお伝えします。
シャープレシオを確認する
シャープレシオが高いファンドを選ぶようにしましょう。
シャープレシオが高いファンドはリスクを抑えつつも高い収益率が達成できている銘柄だからです。
シャープレシオ:投資のリターンとリターンを得るために負担するリスクのバランスを示す指標
同じ収益の場合はリスクが小さいほどシャープレシオが大きくなります。
運用成績を分析する
運用成績の良いファンドは騰落率がベンチマークを上回っている銘柄です。
騰落率:1ヵ月、3ヵ月、6ヶ月、1年など決められた2つの時点の価格を比較し、何%上昇したか、何%下落したかを表す指標
毎日の価格変動ではなく長い期間の価格動向を把握するために用います。
インデックスファンドは安定性があり堅実
インデックスファンドは値動きに連動を目指している
インデックスファンドは特定の市場指数(日経平均株価やS&P500など)や指標の動きに合わせて投資先を選び、その指数の値動きに連動する投資商品です。
指数の銘柄比率を整えながら市場の上昇や下降に合わせてファンドの価格も変動します。
市場全体の動きに忠実に従う性質があり値動きが指数と合うことが特徴です。
インデックスファンド3つのメリット
インデックスファンドのメリットをお伝えします。
値動きがわかりやすい
ファンドの価格変動が指数(日経平均株価やS&P500など)の動きとほぼ同じため、投資家はファンドの値動きが予測しやすくなります。
投資初心者にとって安心材料の1つとなります。
分散投資ができる
インデックスファンドは投資信託なのでプロのファンドマネージャーが株や債券・不動産などの資産に分散してくれます。
自動的に分散投資ができることになります。
1つの投資信託に投資するだけで多くの企業や資産に投資したことになり、リスクを分散させることができます。
運用コストが安い
インデックスファンドは市場の平均的な成果を目指すファンドです。
日経平均株価やS&P500などの具体的な指数の動きをそのまま追いかけるため、銘柄の選択や買い替えの判断の手間が少なくなります。
そのためファンドマネージャーの手間が減り手数料(運用コスト)が低くなります。
インデックスファンドについてもっと詳しく知りたい人はこちら
インデックスファンド3つのデメリット
インデックスファンドのデメリットをお伝えします。
インデックス以上のリターンは望めない
インデックスファンドは特定の市場指数の動きを追いかけた運用なので積極的な運用はされません。
市場全体が上昇した場合はファンドの価値も上がります。
逆に市場全体が下降した場合はファンドの価値も下落します。
アクティブファンドのように大きな運用になることはありません。
元本割れの可能性がある
市場の下落によって投資の損失が発生し元本割れになる可能性があります。
投資全般にいえることですが投資や投資信託では価値が市場の動向によって変動するからです。
市場の下落によって投資の損失が発生し元本割れの可能性があります。
短期間ではリターンが得られない可能性がある
インデックスファンドは長期間の投資を前提とした商品のため、短期間でのリターンを求めることが難しいことが多いです。
ある年の市場が横這いや下落した場合、数カ月だけインデックスファンドに投資しても期待できるようなリターンを得られないかもしれません。
短期間の市場変動に左右されるリスクがあるためインデックスファンドは長期間の運用を考えることが重要です。
一定の運用コストがかかる
インデックスファンドを管理、運用するため信託報酬などの手数料(コスト)がかかります。
アクティブファンドに比べて低コストではあるものの完全に無料ではないので、投資を考えるときは手数料についても調べておきましょう
もっとインデックスファンドについて詳しく知りたい人はこちらへ
投資初心者にはインデックスファンド
アクティブファンドはインデックスファンドには勝てない、初心者にはインデックスファンドとよく言われます。
なぜそう言われるのか、初心者がアクティブファンドを行うときに気を付けることを解説します。
アクティブファンドとインデックスファンドで選ぶ
まとまった資金で大きなリターンを狙いたい、将来性を感じる、投資先の銘柄に興味がある場合はアクティブファンドを選ぶと良いでしょう。
ただしリターンが大きいぶんリスクが大きいので運用成績表や目論見書を確認して銘柄の内容や過去の成績を事前に調べてから決めましょう。
コスト(手数料)やリスクをできるだけ抑えて長期的にコツコツと運用したい場合はインデックスファンドを選びましょう。
投資初心者にはインデックスファンドがいい
基本的にアクティブファンドは推奨できないと言われています。
プロのファンドマネージャーが銘柄選定を行うため手数料が高いことが理由の1つです。
インデックスファンドは銘柄選定がシンプルで手数料が低いためアクティブファンドのように大きなリターンはありません。
しかし長期的にみるとリターンに対してコストが低く抑えらるため、結果としてインデックスファンドがお得であることが多いためです。
リターンを大きくするための方法が違う
アクティブファンドは成長銘柄や割安銘柄を選んで調整しながら市場平均を上回るリターンをめざします。
プロのファンドマネージャーが成長が期待される銘柄を選んで組み立てるため高いリターンを狙うことができます。
しかしファンドマネージャーのスキルに依存し手数料も高くなりリターンが大きく上下する可能性があります。
一方インデックスファンドは指数(日経平均株価やTOPIX他)の成長に連動している銘柄をバランスよく保有しコストを抑えていきます。
アクティブファンドほどのリターンはありませんが、手数料などのコストが低く全体的にみればインデクスファンドが長期運用に適しています。
自分の投資スタンスで決める
自分の投資のスタンスを理解してハイリスクハイリターンで構わないのか、コツコツ積上げてリターンのある可能性の多い方法にするのかを考えましょう。
投資は自己責任です
自分の納得できる形で投資をしていきましょう!
投資信託は分散投資ができる
投資信託は投資家の資金を異なる企業や産業に分散させることができ、リスクを分散する手段となります。
特定の銘柄の影響を受けにくくポートフォリオ全体のリスクを抑えながら安定性を保つことが可能です。
取引にかかるリスク
投資信託の取引には市場変動のリスクがあるためファンドの価格が上下する可能性があります。
ファンドの運用方針やファンドマネージャーの判断により成績が変わるリスクもあります。
さらにファンドによっては手数料や費用がかかるため投資収益に影響を及ぼす可能性もあります。
投資家はリスクを理解して適切な選択をする必要があります。
取引にかかる費用
投資信託の取引は手数料や買付手数料、信託報酬などの費用がかかります。
ファンドの運用や管理に関する経費であり収益に影響を及ぼす可能性があります。
事前に費用を確認し、コストを考慮して投資を検討する必要があります。
投資信託のリスクや手数料などをくわしく知りたい人はこちら
アクティブファンドがインデックスファンドに負ける理由
アクティブファンドは信託報酬の費用がかかりすぎることが理由でインデックスファンドには勝つことができないと言われています。
アクティブファンドはファンドマネージャーが銘柄の調査分析をするためにコストが高くなってしまうからです。
アクティブ運用で勝つ人は20%と言われており、投資初心者にとって企業分析や過去の成績の追跡などを確実に行い勝てそうなアクティブファンドを選ぶことは難しいです。
もしアクティブファンドで運用する場合は運用報告書や目論見書で分析を細かく行いましょう。
まとめ
より大きな運用益を得たいならアクティブファンド、少ない利益を長期間コツコツ積み立てたい人はインデックスファンドがおすすめです。
アクティブファンドは信託報酬などのコストも高くファンドマネージャーの手腕によるところも大きくなっています。
投資初心者にとってアクティブファンドは少し難易度の高い投資といえます。
もし投資初心者でアクティブファンドで運用を目指すのであればリスクを理解したうえで、過去の運用成績やシャープレシオを運用報告書や目論見書で企業内容や運用成績をしっかり確認して投資を行いましょう。
なお投資初心者や投資中級者に関わらずアクティブファンドのみでの投資はリスクが高いため、リスクが比較的低いインデックスファンドを組み合わせて分散投資を心がけるようにしましょう。