投資信託を始めたいけれどリスクが怖い、投資信託でお金増えるのはいいけどせっかく貯めたお金が減るのは嫌だと考える人は多いです。
投資のバランスを考える、リスクを減らすと聞いても初心者には難しく感じることでしょう。
債券投資信託のこと全然わからない!
投資のバランスってどうしたらいいの?
投資のバランスやリスクを減らすために『債券』を使うと運用上手になっていきますよ!
想像より簡単ですよ!
このバランスやリスクを考えるうえで「債券」を理解して活用していくことでその不安が減っていきます。
債券投資信託や株式投資信託のバランスを知って投資信託で資産運用を始めてみましょう。
・投資信託の投資バランスやリスクのことがわかる!
・債券投資信託の国内と海外の違いがわかる!
・債券投資信託や株式投資信託を組み入れてバランスよく投資する仕組みがわかる!
この記事を書いた人
この記事を書いているわたしは元メガバンク行員で、お客さまのお金に関するお悩みの対応をしていました。家計を見直して資産を増やすためのお金の知識をお伝えします。
投資信託とは?基本の仕組みとメリット
投資信託とは投資のプロ(ファンドマネージャー)に運用を任せて多くの資産に分散投資ができる金融商品です。
投資信託の仕組みはプロが運用
投資信託はそれぞれの投資家が少額の資金でも、多くの投資家から資金を集めさまざまな資産に投資できるようになります。
投資信託はファンドマネージャーとよばれる専門家によって選定・運用され、株や債券・不動産などさまざまな資産に投資されます。
ファンドマネージャーにより資産の組み合わせ(ポートフォリオ)のバランスを保ちながら、リスクとリターンを最適化するよう目指し運用成績を定期的に報告します。
投資家は必要に応じていつでも購入や売却ができます。
投資信託3つのメリット
投資信託には3つのメリットがあります。
・リスク分散ができる
・少額からの投資ができる
・プロに運用してもらう
リスク分散ができる
投資信託は株や債券など複数の資産を組み合わせて運用されるため、リスクを分散できます。
複数の銘柄や産業、国や地域に投資することでリスクを分散し、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。
少額からの投資ができる
投資信託は少額(金融機関によっては100円)から投資を始めることができるため、初心者や少額の資金で始める人に向いている商品です。
プロに運用してもらう
投資信託はファンドマネージャーや運用チームによって運用されるため、プロの知識や経験を活用して運用します。
株や債券などの選定や市場のタイミング判断を自分でする必要がなく、運用の専門家に任せることができます。
投資信託の3つのデメリット
投資信託にはデメリットもあります。
・元本保証がない
・手数料(コスト)がかかる
・売りたいタイミングで売ることができない
元本保証がない
投資信託は価値が市場の動向によって変動します。
そのため投資した金額全体を必ず取り戻せない可能性があります。
市場の下落によって投資の損失が発生することもあるのです。
手数料(コスト)がかかる
投資信託はプロのファンドマネージャーに株や債券などの運用がよりよくいくようにお願いしています。
そのサービスに対して手数料(購入時手数料・運用手数料・売却手数料他)が発生します。
売りたいタイミングで売ることができない
投資信託は市場の動向によって価格が変動します。
投資家が売りたいと思った瞬間に必ずしも希望の価格で売却できるとは限りません。
投資信託の流動性リスクとも関連しています。
初心者におすすめの理由とは?
投資信託が初心者におすすめの理由は、少額から始められプロのファンドマネージャーが運用してくれるので専門知識がなくても始めやすいからです。
本来、リスクを分散するには株式・債券・不動産や地域のことなどそれぞれに知識や買うタイミングをみることが必要です。
プロが資産を調査して投資してくれるので、世界中のマーケット(市場)に気軽に分けて投資ができます。
いつでも売買が可能なので現金化も早いです。
投資信託の選び方で気をつけること
投資信託の銘柄選びは、成長が期待できる国や地域・企業を選ぶことがおすすめです。
リスク管理を理解しよう
投資信託のリスク管理を理解していきましょう
市場リスク | ・全体的な市場が下落することで発生するリスク ・株・債券・不動産など異なるリスクとリターンの特性のあるものと組み合わせて投資することで分散できます |
特定リスク | ・特定の企業や産業が下落することで発生するリスク ・異なる企業や産業に投資することで分散できます |
通貨リスク | ・異なる国に投資する場合損国の通貨の価値が変動することにより発生するリスク ・異なる国に投資する、もしくはヘッジ取引※(リスクを軽減するための手法)を利用することでリスクが軽減できる |
流動性リスク | ・投資を売りたい(現金化したい)ときに買い手がみつからない場合のリスク ・市場が大きく活発に取引が行われている投資信託を選ぶことでリスクを軽くできる |
※為替や金利など特定のリスクに対してヘッジ取引を行うことで、ポートフォリオ全体のリスクを減らしします。
事前に目論見書や企業のホームページを見るなどしてリスクを理解し、自分のリスク許容度に合わせた投資信託を選ぶことが重要です。
これらの方法を組み合わせてリスクを管理することで、投資信託のリターンとリスクのバランスを最適にしていけます。
ただし、リスクを完全に排除することはできないため、自身の投資目標やリスク許容度を考慮した上で投資判断を行うことが重要です。
リスク許容度は自分のリスク受け入れ度
「リスクの許容度」とは、投資家である自分が投資で起こるリスクをどの程度受け入れることができるかを示す指標のことです。
このリスクの許容度は人それぞれで、投資家(自分)が投資でおこる損失(お金がなくなること)に対してどのくらい不安を感じるか、その損失に対してどのくらい耐えられるかを示しています。
リスク許容度はどのように投資を始めていくかを決定するときに重要な要素で、自分の許容度に合った投資をすることがとても大切です。
リスク許容度3つのポイント
投資を始めるときに自分の『リスク許容度』を知ることで、自分に合った投資の形を作ることができてきます。
リスク許容度に応じて、投資先やポートフォリオの構築を検討することが重要です。
リスク能力がどのくらいあるのか
自分が経済的にどのくらいリスクをとることができるか考えてみましょう。
十分な貯蓄や定期的な収入がある人は一次的な投資の損失に耐えることができるので、今の自分の預貯金の状況、生活するためのお金、投資に回すことができるお金のことを具体的に理解しておきましょう。
リスク意欲がどのくらいあるのか
自分が精神的にどれだけのリスクを取ることができるかを考えましょう。
大きく得する可能性があるということは、市場環境によっては大きく損をする可能性もあるということですので、そうなった場合に自分はそれでも精神的に大丈夫か?と考える必要があります。
経験と知識はどのくらいあるのか
投資経験や金融知識があり、リスクを理解し適切な判断ができるかどうかを考えてみましょう。
初心者で経験も浅くこれから投資や金融のことを学んでいく予定の人は、まずはローリスクの投資が適しているかもしれません。
これらのポイントを考慮して、自身のリスク許容度を理解しましょう。
株式と債券のリスクとリターンの違いを知る
『株式』は成長性が高くリターンが大きい一方で、市場の変動によるリスクが大きい資産です。
『債券』は安定した収益が期待できリターンが株式ほど大きくない代わりに、リスクが低い資産です。
一般的に若い投資家やリスク許容度が高い投資家は、株式に多めに投資し資産の成長を重視します。
その一方で年齢が上がりリスク許容度が低い投資家は、債券に比重を置き安定性を重視するとされています。
これをアセットアロケーションと呼び、年齢や投資目標に応じて適切な株式と債券の配分を決定することが重要です。
株式と債券のバランスを考える
株式と債券のバランスを考えることは投資をするうえで大切なコトです。
例えば、20代の若者はリスクを取れると考えて『株式70%・債券30%』の配分で投資することで投資資金の成長を期待することもあります。
一方、60代の人であれば今ある資産を守りたい気持ちが増えて『株式30%・債券70%』の配分で、リスクを減らしつつ適度な成長を狙うこともあるでしょう。
適切な分散投資を考えて改善し、ライフスタイルやライフプランに合わせてバランスを見直すことが重要です。
投資のバランスについては個人のリスク許容度や投資目標によって違うので「これが最適」という明確な答えはないよ
一般的な投資の基本原則として、株式と債券の組み合わせが重要であるとされています。
目標リターンと投資期間を設定しよう
投資を始める前に、自分が決めた期間内にどのくらいの金額を得ることを期待しているのか(目標リターン)、投資をどのくらいの期間行うのか(投資期間)を決めましょう。
投資の運用方針やポートフォリオを考えるうえで必要なことです。
【目標リターンの例】
年率10%のリターンを目標に5年間で資産を成長させる
年率15%のリターンを目標にリタイア後の生活資金を20年間確保する など
一般的に投資期間が長ければ長いほど、市場の変動によるリスクを分散することができてリターンの可能性が高まります。
投資期間は投資家の目標やリスク許容度によって違いますが長期間の投資はより安定したリターンを狙うことができる場合があります。
投資にはリスクがあり、目標リターンや投資期間は保証されるものではないことを理解しておきましょう
市場の変動や経済の状況によって投資の成果が異なる場合があります。
バランス型投資信託は自動的に管理する
投資信託には債券投資信託や株式投資信託以外にバランス型投資信託があります。
バランス型投資信託とは国内外の株式・債券・REIT(不動産)などに分散投資する投資信託のことです。
ひとつのファンドで投資対象の分散や地域の分散ができ分散投資とリスク管理ができます。
自動でリバランス(※)されるので投資の手間が少ないことも大きな特徴です。
国内債券投資信託の解説と具体例
国内債券投資信託は比較的安定した運用成績が期待できる投資信託といわれています。
国内債券投資信託とは?
日本国内で発行されるものを国内債券投資信託といいます。
・公債…国や地方公共団体等が発行する債券(国債・地方債など)
・社債…民間の企業が発行する債券
国債は日本が潰れない限限り日本国債の償還(返金)が行われます。
日本企業が発行する社債は日本国債と比べると会社倒産などのリスクがあると考えられ、日本国債よりも金利が高くなります。
株式と比べると値動きが小さく金利を定期的に受け取れて、安定的なパフォーマンスが見込みやすい投資信託です。
国内債券市場の特徴とリスク
国内債券市場の特徴とリスクは債券市場に投資するときに考えるべき重要なことです。
国内債券市場の特徴
債券の発行元 | 国内債券は国・地方債は地方自治体・社債は企業が発行発行している |
利息収入 | 債券を購入することで投資家は一定期間ごとに利息(クーポン)をうけとることができる |
債券の満期 | 債券には満期があり満期になると元本が返還される |
国内株式市場が下向くと国内債券投資信託の基準価額も上昇しやすくなります。
国内債券市場のリスク
金利リスク | 債券の価格は金利と逆相関関係にある 金利が上昇すると債券価格が下落する可能性がある |
信用リスク | 発行元の信用力により債券の返済能力が影響を受ける可能性がある 信用力の低い発行元はデフォルト(債券不履行)するリスクが高まる |
リフレーションリスク | インフレーションが上昇すると債券の実質的な価値が減少する可能性がある |
国内債券への投資は通常日本円建てです。
外国債券と比べて為替リスクを考える必要がないところメリットともいえます。
自分の投資目標やリスク許容度を考えて適切なポートフォリオを作りましょう。
具体的な国内債券投資信託の選び方
国内債券投資信託を選ぶときの具体的な選ぶときは順番に考えをまとめてから決めていきましょう。
国内債券投資信託の選び方
自分の投資目標を明確にしましょう。
例えば、リターン重視、安定性重視、またはリスクを抑えた投資など、自分の目標に応じた投資信託を選ぶためのスタート地点です。
過去の運用実績やリターンを確認し、投資信託の期間内のパフォーマンスをチェックします。
安定してリターンを上げているファンドを選ぶことが重要です。
投資信託には運用手数料がかかります。
手数料などの費用が少ない投資信託を選ぶことで、リターンを最大化できる可能性が高まります。
投資信託のポートフォリオの中身を確認しましょう。
保有している債券の種類や割合を理解してどのようなリスクを抱えるかを把握します。
目論見書は投資信託の詳細な情報を提供する公式の文書です。
・投資信託の運用方針
・リスク要因(リスクファクター)
・資産配分と投資対象
・手数料と経費
・過去のパフォーマンス
自分の投資目標やリスク許容度と合うかどうかを判断して選ぶことが重要です。
外国債券投資信託の解説と具体例
他の国の債券に投資しているものが「外国債券投資信託」です。
国や企業などさまざまな発行元に分散投資していることが多いので、一つの債券に投資するよりリスクを抑えることができます。
外国債券投資信託の種類と特徴
外国債券投資信託は先進国と新興国の大きく2種類に分けられます。
先進国債券投資信託とは比較的財政が安定している国の債券で、アメリカ・イギリス・欧州・カナダ・オーストラリア・日本などの国があげられます。
新興国債券投資信託は先進国以外の国の債券のことをいいます。
分散投資や安定的なリターンを得られるという点は債券投資は株式投資にはない価値を持っています。
先進国と新興国の違いを理解しよう
投資対象の国や地域で政治・経済状況の変化によって債券市場や為替市場に混乱が生じた場合は、そこに投資した資産の価値が変動する可能性があります(カントリーリスク)。
新興国は政治・経済・社会情勢が不安定なため為替の変動が先進国と比較して大きくなる場合があります。
投資するタイミングによって良いときと悪いときの差が非常に大きくなるので注意が必要です。
具体的な外国債券投資信託の選び方
投資信託の選び方は個々の投資家の目標やリスク許容度によって異なりますが、海外債券投資信託を選ぶときに考慮すべきポイントがあります。
外国債券投資信託の選び方
自分の投資目標を明確にしてリスク許容度を把握することが重要です。
自分がリターンを追求するのか、安定性を重視するのか、またリスクをどれくらい許容できるのかを理解しておきましょう。
海外債券投資信託を選ぶ際には今持っている投資信託などの運用商品のポートフォリオとのバランスも考慮してください。
株式や国内債券など他の資産とのバランスを取ることで、リスク分散とリターンが良い状態にしましょう。
投資信託の過去のリターンだけでなく、リスクを理解することも重要です。
リスク指標やボラティリティを確認し、どれくらいのリスクを取る必要があるかを把握しましょう。
ボラタリティ
価格の変動の度合いと不確実性のこと
株式・債券・商品・為替レート・投資信託などの金融資産の価格がどの程度変動するのか
ボラティリティが高い…価格の変動が大きい・価格が上下に大きく動くためハイリスクハイリターンの可能性がある
経費や手数料は投資収益に直接影響する要素です。
手数料や諸費用のあまりかからない投資信託を選ぶことで投資収益を最大化することができます。
外国債券投資信託は複数の国の債券に投資する場合があります。
投資対象地域や為替リスクに注意して、リスク分散と為替変動の影響を考慮しましょう。
これらのポイントを考慮しながら、自身の投資目標に合った海外債券投資信託を選ぶことが大切です。
投資をするときは過去の実績だけでなく将来のリターンを保証するものではないことを理解した上で、慎重に検討して投資判断を行ってください。
為替リスクへの対策を知ろう
為替リスクへの対策は、海外資産を保有する場合に特に重要です。
為替の変動は誰にもわからず流れをつかむのも難しいです。
為替の影響で投資した債券自体の安全性に問題がなかったとしても、為替の変動状況で実質的に損失になることも考えられます。
為替変動による損失を生じさせたくない場合は、『為替ヘッジあり』の投資信託を選択するなど為替影響を低減する方法もあります。
為替ヘッジありと為替ヘッジなしについて
為替とは国の異なる通貨と交換する取引レートのことです。
為替ヘッジあり | ・為替相場の影響を受けずに外国株式や外国債券などの収益だけを求めたい ・為替による損失はできれば避けたい人は為替ヘッジあり |
為替ヘッジなし | ・為替差益も収益に加えたい ・為替の変動がプラスになるときもある |
※為替差益:円安のときに得られる
為替の変動が怖い・為替変動での大きな金額の上下は嫌で為替ヘッジありの投資信託にしても不安だという人は、為替変動リスクのない資産形成の日本国内株式や国内債券に投資を検討することになります。
投資初心者には扱いが難しい理由
外国債券投資信託や外国株式投資信託は、投資初心者には扱いが難しいといわれています。
為替は常に変動していて円高ならそれだけで損失発生、円安になっていれば利益になるが債券価格や利回りに関係なく損益が発生する可能性があり予測できないからです。
例えば1ドル=100円で10,000ドル(日本円支払い額は100万円)購入して米国債券に投資した場合、為替変動によって以下のように為替損益が発生します。
・1ドル=110円の円安になった場合:110円×10,000ドル=110万円になり、10万円の為替差益が発生
・1ドル=90円の円高になった場合:90円×10,000ドル=90万円になり、10万円の為替差損が発生
ニュースの為替市場を見て相場を知っておこうね
為替変動を理解しリスク管理をすることでバランスよく投資の運用が可能になってきます。
まとめ:債券投資信託を上手に取り入れよう
投資というと株のことを考えると思いますが、債券も取り入れてリスク管理をしていくことでバランスのよく分散投資ができていきます。
投資初心者は特に債券投資信託を取り入れて株式とのバランスを考えていきましょう。
債券投資信託のみであれば手数料やリスクを考えるとマイナスになる可能性もありますので、債券投資信託だけの運用はあまりおすすめできないからです。
目論見書をよく見て、債券投資信託と株式投資信託などの比率を見て自分にとって理想的なポートフォリオを作り、上手な資産作りを目指しましょう。