新NISAとiDeCoはどちらを優先する?特徴や違いを徹底解説

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2024年から新NISAが始まります。

困っている人

新NISAとiDeCoはどちらを始めるほうがいいの?

みゆ

新NISAとiDeCoは両方始めても大丈夫なんですよ

まずは新NISAとiDeCoの違いや特徴を比べて、自分に合った運用方法を探していきましょう。

この記事を書いた人

この記事を書いている私は元メガバンク行員でお客さまのお金に関するお悩みの対応をしていました。家計を見直して資産を増やすためのお金の知識をお伝えします。

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新NISAとiDeCoは資産形成におすすめ

ノートパソコンと机

新NISAもiDeCoも資産形成におすすめの制度です。

新NISAとiDeCoのどちらを活用するのか、どちらを優先するのかを考える人が多いようです。

iDeCo新NISA
払出制限制限あり
(一定の要件を満たした場合、脱退一時金の受け取りが可能)
制限なし
税制メリット・運用益の非課税
・掛金の全額所得控除
・受給時の退職所得控除など
・運用益の非課税
投資商品・投資信託
・定期預金
・保険商品
・公社債など
・投資信託
(除外条件あり)
・上場株式

現行NISAは新NISAより非課税投資枠も少なく、iDeCoを活用することで非課税枠が増え税金対策もできるメリットがありました。

新NISAの概要

新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の概要

新NISAは非課税投資枠が拡大したため、iDeCoは必要ないのではないか?と考えることもあるでしょう。

新NISAとiDeCoにはメリットやデメリットはあるため、特徴を理解して自分に合った運用方法を見つけることが大切です。

新NISAとiDeCoの7つの違い

パソコンと机

新NISAとiDeCoの具体的な違いは大きく分けて7つあります。

どちらが良いのか?どちらを優先するのか?

特徴を理解していきましょう。

対象年齢が違う

新NISAとiDeCoは対象年齢が違います。

新NISAとiDeCoの年齢比較

新NISAiDeCo
18歳以上
(その年の1月1日時点で年齢が18歳以上)
20歳~65歳

新NISAは国内に住む18歳以上の人が対象です。

上限はないため、18歳以上の人なら何歳まででも運用可能です。

一方iDeCoは私的年金の要素があるため、公的年金の国民年金に加入している年齢の20歳から対象になります。

これまでは60歳までの加入でした。

しかし2022年の法改正で加入年齢の要件等が広がり、下記2点の人も対象になりました。

・国民年金の第2号被保険者(会社員や公務員など)

・国民年金に任意加入している60歳以上~65歳未満

運用資金の引き出せる時期が違う

新NISAは好きなタイミングで売買できるため、いつでも資金を引き出せます。

一方、iDeCoは原則60歳まで引出せません。

新NISAとiDeCoの引き出せる時期の比較

新NISAiDeCo
自分の好きな時期に売却できる原則60歳まで引きしできない

iDeCoを活用する場合は、長期間払い続けることのできる掛金設定が必要です。

iDeCoは掛金の減額(増額も可)や支払い停止はできます。

掛金の減額で注意すること

・最低金額は月5,000円で1,000円単位で設定する

・1年に1回しか変更できない

iDeCoは途中で払い出しはできませんが毎月5,000円掛けることが可能であれば、掛金を減額して対処できます。

支払い停止した場合の注意点

・支払い停止後は積み立ててきたお金の運用は続ける必要がある

・運用指図者として毎月66円必要になる

・再開する時にもう一度加入申し込み手続きが必要になる

・iDeCoのメリットの所得控除が受けられない

運用を始めれば60歳になるまで基本的に途中脱退や解約ができず、運用を止められません。

再開する場合も手続きが必要となります。

みゆ

例外的に解約できるケースはありますが条件は厳しいです!

手数料の種類が違う

新NISAとiDeCoは必要な手数料の種類が違います。

新NISA
iDeCo
  • 売買手数料
  • 信託報酬
  • 為替手数料
  • 移管時手数料(初回1回のみ)
  • 国民年金基金連合会(納付の都度)
  • 信託銀行手数料(毎月)
  • 運営管理手数料
  • 受取手数料
  • 信託報酬(投資信託を選んだ場合)

新NISAは口座開設の手数料はかかりません。

iDeCoで運用する商品を投資信託にした場合は信託報酬やその他手数料がかかり、金融機関によって手数料が変わります。

手数料の金額が違う

新NISAとiDeCoの手数料の金額を確認しましょう。

新NISAiDeCo
口座開設時手数料無料移換時手数料:2,829円(初回1回のみ)
運用時手数料・購入時手数料
(かからない場合もある)
・国民年金基金連合会:105円(掛金納付の都度)
・信託銀行手数料:66円(毎月)
・運営管理手数料(金融機関によってはかからない)
払い出し時・売買手数料
(かからない場合もある)
受取時手数料:440円

新NISAは投資信託を購入する場合は「購入時手数料」、株式の場合は「売買手数料」がかかるときがあります。

しかしiDeCoのように初回に移換時手数料や、掛金納付の度に支払う手数料はありません。

投資信託の手数料を詳しく知りたい人はこの記事を読む

iDeCoのほうが新NISAより手数料がかかります。

投資できる金額が違う

新NISAとiDeCoの投資上限額を比べてみましょう。

iDeCoは加入資格によって掛金の拠出限度額が異なります。

引用元:厚生労働省

一方新Nisaはつみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、現行NISAより限度額が拡大しました。

新NISAとiDeCoの年間投資限度額(拠出限度額)

スクロールできます
新NISAiDeCoiDeCoiDeCoiDeCoiDeCoiDeCoiDeCo
自営業者会社に企業年金がない会社員企業型DC(※1)のみに加入している会社員DB(※2)と企業型DC(※1)に加入している会社員DB(※2)のみに加入している会社員公務員専業主婦(夫)
年間投資限度額
(iDeCoは拠出限度額)
360万円
(つみたて投資枠:120万円
成長投資枠:240万円)
81.6万円
(月額6.8万円)
27.6万円
(月額2.3万円)
24万円
(月額2.0万円)
14.4万円
(月額1.2万円)
14.4万円
(月額1.2万円)
14.4万円
(月額1.2万円)
27.6万円
(月額2.3万円)

※1)企業型DC:企業型確定拠出年金

※2)DB:確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済

年間投資限度額のみをみると、新NISAのほうがiDeCoより多く投資できます。

ただし新NISAは非課税保有限度額が1,800万円(成長投資枠のみの活用なら1,200万円)です。

新NISAは総額1,800万円以上の投資はできません

新NISAは投資枠の復活があるため、売却をすれば非課税投資枠の再利用はできます。

しかしそのためだけに売買を繰り返すことは賢い方法とはあまり思えません。

一方、iDeCoは総額上限額はなく、あるのは年間の拠出限度額のみです。

したがって、長期間iDeCoを運用するほどに総額が増えていきます。

会社員の場合は、新NISAの年間投資上限額や非課税運用総額の両方が多くなります。

新NISAとiDeCoは併用できるため、両方活用することで非課税での運用総額は多くなります。

新NISAとiDeCoを両方活用したほうが良いのか、新NISAシミュレーション(金融庁)iDeCo優遇税率シミュレーション(iDeCo公式サイト)で実際に試算して考えてみましょう。

運用できる商品が違う

新NISAとiDeCoの運用できる対象商品をみてみましょう。

新NISAとiDeCoの運用できる商品

新NISA(つみたて投資枠)新NISA(成長投資枠)iDeCo
投資信託・上場株式
・投資信託(除外条件あり)
・投資信託
・元本確保型商品(定期預金・保険など)

新NISAのつみたて投資枠は金融庁が定めた基準を満たす投資信託や上場株式等が対象です。

成長投資枠は上場株式や投資信託で除外条件はあるものの、なかにはつみたて投資枠の投資信託も含まれるため組み合わせながら運用できます。

iDeCoの対象商品は投資信託と元本確保型商品があります。

【元本確保型商品】

・元本が保証されている

・定期預金

・保険商品

金融機関によっては取扱いのない場合もあり、取扱っていたとしても種類は多くはありません

投資信託も数十本程度のため、新NISAが100本以上の投資信託の取扱いがあることを考えるとiDeCoの取扱い商品は少ないといえます。

みゆ

新NISAでは取り扱っていない確定拠出年金専用の投資信託もありますよ

商品が多く運用の選択肢が多いのが新NISAです。

リスクをあまり取りたくない人が、元本保証の商品を選ぶ選択肢もあるのがiDeCoです。

税制メリットが違う

新NISAiDeCo
運用益非課税非課税
拠出時(つみたて時)なし掛金が全額所得控除
受取時なし・退職所得控除
・公的年金等控除

新NISAもiDeCoも運用益が非課税になります。

iDeCoは掛金が全額所得控除となり、所得税や住民税の節税効果があります。

しかしiDeCoは受取時に、退職所得や雑所得として課税されます。

退職所得控除や公的年金等控除で課税額は減額される可能性があります

新NISAは運用益や元本が課税されることはありません。

iDeCoの節税メリットの大きさは下記理由で変わる

・所得水準

・運用結果

・資金の受取り方

 ①一時金として受け取る

 ②年金として受け取る 

 ③一時金+年金として受け取る

 新NISAに比べるとiDeCoのほうが、節税メリットは大きくなる傾向があります。

新NISAとiDeCoに向いている人

ノートパソコンと手元

新NISAとiDeCoは向き不向きがあるのでしょうか。

それぞれのメリットやデメリットを考えながらみていきましょう。

新NISAに向いている人

新NISAは年間投資枠や生涯投資枠が拡大するため、ライフプランや将来の予定に合わせて売買ができます。

新NISAの特徴

新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の概要

投資枠の復活により、非課税枠を再利用できるため自由な売買や急に資金が必要になった場合に対応ができます。

【新NISAが向いている人】

・教育資金や住宅ローンなど払い出す可能性がある

・まとまった資金を早く投資したい

・豊富な種類の中から投資商品を選びたい

老後資金だけにとらわれることなく運用したい人は新NISAに向いているといえます。

iDeCoに向いている人

iDeCoは60歳まで原則引出しはできません。

引用元:iDeCo公式サイト

老後資金の準備を確実に行いたい人にとってメリットと感じる制度です。

【iDeCoが向いている人】

・老後資金を準備したい

・所得控除など税制メリットもうけたい

・元本が保証された商品で資産形成したい

iDeCoは元本確保型の商品で運用しながら、所得控除の税制メリットを受けます。

みゆ

iDeCoは手数料がかかるので注意してね

iDeCoを始めている人・悩んでいる人

iDeCoをすでに始めている人は新NISAが始まることで、対応を考えている人もいるのではないでしょうか。

それぞれの対応を考えてみましょう。

iDeCoをすでに始めている人

iDeCoをすでに始めている人は、iDeCoを活用しながら新NISAを始める方法を考えていきましょう。

iDeCoは60歳まで払出できませんが、年に一度掛金を変更できます

より老後資金を増やしたい人は増額しても良いでしょう。

新NISAで運用を始めたい人で

・iDeCoと並行して行うことが困難な場合

・ライフイベントの関係上払い出しをする可能性がある場合など

iDeCoの掛金を減額して、新NISAでつみたて投資枠を活用する方法もあります。

新NISAは自由に売買できるため急な支出にも対応できます

新NISAとiDeCoのどちらにするか悩んでいる人

新NISAとiDeCoはどちらがお得、どちらが資産が増えると比べることはできません。

それぞれ特徴が異なります。

iDeCoの大きな特徴は下記2点です。

・掛金が全額所得控除

・60歳までは引出せない

余裕をもった掛金(最低掛金は5,000円)で始めましょう。

みゆ

「老後資金を別にしておけない」「老後資金なのに使ってしまいそう」など不安があるならiDeCoを活用したほうが間違えて使ってしまうことはないですね

新NISAは複利効果は薄れますが、急な出費がある場合に好きなタイミングで売却できます。

子どもの教育資金や住宅購入など資金を払い出す可能性があるなら、新NISAを活用するほうが良いでしょう。

20~30代の若い世代の選び方

パソコンとスマホの手元

新NISAとiDeCoはそれぞれ特徴がありますが、まだ老後資金に危機感のない20~30代はどうすればよいでしょうか。

長期的に税制メリットがある

新NISAもiDeCoも税制メリットを受けつつ資産形成ができます。

新NISAとiDeCoの税制メリット

新NISA
iDeCo
  • 非課税投資ができる
  • 年間投資額がある
  • 非課税投資限度額がある
  • 非課税投資ができる
  • 口座開設時・運用時、受取時に手数料がかかる
  • 職種により毎月の金額上限がある
  • 総額の投資上限額はない

迷っているならまずは新NISAにしよう

投資による資産形成をする気持ちがあるけれど、どちらにするか悩んでいるならば、まずは新NISAから始めてみましょう

新NISAは非課税投資なので、長期運用と複利効果でじゅうぶんメリットを感じることができるためです。

単利と複利の解説図

引用元:レゾナン

急に資金が必要になった場合も、新NISAなら売買は自由にでき非課税投資枠の再利用も可能のため柔軟な対応ができる制度です。

投資信託の比率を考えて分散投資をし、リスクを考えながら運用していきます。

ここまで非課税投資や税制メリットも解説してきましたが、それでも悩む場合は

・まだ投資に関する自分の考えがまとまっていない可能性がある

・リスクを取りながら経済状況を考えて資産を増やすためにどうすればよいか考える

・投資知識を増やしながら考えをまとめる必要がある

まずは新NISAのつみたて投資枠で積上げていき、成長投資枠の個別株投資なども活用していきましょう。

投資額を増やしながらゆっくりと投資知識も増やしたうえで、ライフプランを見直すタイミングでiDeCoを再検討するのも良いです。

みゆ

「〇〇さんがおススメするから」「○○って聞くから」など人任せの投資はよくないので投資知識は増やしていきましょうね

運用初心者の運用方法を具体的に紹介

パソコンとテーブルと手元

新NISAとiDeCoの特徴やどういう人が活用しやすいかをまとめました。

それでも投資初心者にとっては何から始めれば良いか、決めかねるでしょう。

具体的な運用例をお伝えします。

まずは新NISAから始める

運用初心者であれば、まずは新NISAから始めてみましょう。

新NISA
年間投資枠【最大360万円】
つみたて投資枠:120万円
成長投資枠:240万円
非課税保有限度額1,800万円
(成長投資枠は1,200万円まで)
非課税投資枠の併用可能
非課税投資枠の再利用可能
(翌年に枠が復活)
投資対象商品長期積立・分散投資に適した
投資信託
非課税保有期間無期限化
口座開設手数料無料

新NISAで投資を始めて投資を身近に感じるところから始めていきましょう。

新NISAについて詳しく知りたい人はすぐに読む

ニュースやインターネット、アプリなどで情報を集めていくことで、少しずつ投資の知識も増えていきます。。

生活環境が変わっていくなかで、新NISAの中でさらに投資をしたいと考えるかもしれませんし、老後資金が不安になる場合もあります。

所得が増えたり税金対策も考えた時に、iDeCoの制度を改めて見直すことも良いでしょう。

iDeCoで老後資金の準備を始める

老後資金に不安があり早めに準備をしたい人はiDeCoを始めてみましょう。

途中で払い出しはできずその他の事情で支出がある場合も別枠で運用しているため、誤って老後資金を使ってしまうことはありません。

iDeCoは税制メリットもあるため、節税できた分を新NISAのつみたて投資枠で少しずつ積上げる方法もあります。

新NISAとiDeCoは上手に使い分ける

新NISAとiDeCoは自分のライフプランやリスクをふまえ、使い分けて活用しましょう。

新NISAとiDeCoの併用は可能で、開始する期間も決まっていないからです。

みゆ

「どちらか一方だけ」と決めてつけてしまうのは資産形成の幅も狭くなりもったいないですよ!

メリットやデメリット、制度の特徴、自分の性格もふまえて賢い資産形成をめざしましょう。

新NISAとiDeCoの2つの注意点

新NISAとiDeCoの2つの注意点を解説します。

新NISAとiDeCoは一人1口座

新NISAとiDeCoは1人1口座しか持てません。

証券会社によって取扱う商品の数が違うため、口座を開設する前に確認しておきましょう。

iDeCoの元本確保型商品は金融機関によっては取扱っていない場合もあります。

iDeCoを定期預金や保険(元本確保型商品)で始めようと考えている人は特に注意しましょう

困ったときに電話などでサポートしてほしい人は、サポート体制の整った金融機関やネット証券(一部ネット証券でサポート体制が手厚いところがある)を探しておきましょう。

いろいろな商品を選んで投資をしていきたい人は、商品の数も多く手数料の安い商品が揃っているネット証券がおすすめです。

新NISAとiDeCoは別の口座

開設手続きも別々に行い、2つの口座を管理していきます。

商品の売買や変更手続きがしやすいか、アプリなどの機能は使いやすそうかなどを見ておくのも良いでしょう。

みゆ

ネット証券はスマホで口座開設やその他の手続きが簡単にできます

口座開設に新NISAは2~3週間・iDeCoは1~2ヵ月かかります

まとめ

新NISAとiDeCoはどちらを優先するのか、特徴やメリットデメリットを具体例をまじえて解説しました。

税制メリットや限度額上限などの違いもあり、自分のニーズに合わせて始めていきましょう。

iDeCoなら老後資金を分けておきたい、税制優遇を受けたいなどの理由があるでしょう。

一方新NISAは非課税で運用でき、老後資金だけではなく教育資金や住宅費などの資金も含めて運用したい場合は使いやすい制度です。

自分のライフプランやリスクなどを考えて、新NISAかiDeCoのどちらかと決めてしまわず、それぞれの特徴を理解して資産形成をしましょう。

本ページの内容は公開日時点での情報となります。法令や情報など新たに追加され更新されている場合がありますので、最新情報をお確かめいただくようお願いいたします。

新NISAとiDeCo どちらを優先するべき?

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